診療案内


1)肌の構造
2)アトピー性皮膚炎とは
3)アトピー性皮膚炎の原因
4)湿疹・かゆみ
5)塗りぐすりの使い方

1)肌の構造
皮膚の表面は、家にたとえれば瓦に相当する角質細胞で覆われています。
その角質細胞の間を 「セラミド」という脂質(あぶら)が補強しています。
皮膚は外界からの刺激(病原菌・ダニ・ハウスダストなど)から体を
守る働きをしますが(バリア機能といいます)、皮膚が乾燥してしまうと
皮膚の防御(バリア)機能が低下します。
セラミドは、皮膚の水分が蒸発して皮膚が乾燥する ことを防いでいます。
セラミドが不足して乾燥したカサカサした皮膚をドライスキンといいます。
アトピー性皮膚炎や乾燥肌の人では、セラミドが減少しているために
皮膚が乾燥しやすくなり、皮膚の防御(バリア)機能が低下し、
皮膚表面に湿疹・かゆみなどの色々な障害が出ます。

  
2)アトピー性皮膚炎とは(「バリアー機能」「外的因子」「異常な炎症反応」)
乾燥肌(ドライスキン)のため 「バリアー機能」の低下した肌は、食物抗原・
ダニ・ハウスダスト・発汗・ 接触抗原などの「外的因子」に簡単に刺激され、
アレルギー反応による「異常な慢性炎症反応」が皮膚に起こり湿疹を生じます。
このように、ドライスキンによるバリア機能の低下した皮膚に外的因子による慢性炎症
が生じ、皮膚にカサカサしたかゆみの強い湿疹が出来、掻くことにより皮膚が赤くなったり
ジュクジュクする状態をアトピー性皮膚炎といいます。


3)アトピー性皮膚炎の原因
 1.ドライスキン(バリア機能の低下)
 2.アレルゲン(外的因子・内的因子)
  あらゆる食物が原因になりうる。
  特に乳幼児のアトピー性皮膚炎は食物アレルギーを伴うことが多い。
  その理由は、乳幼児の消化管粘膜は未発達なために、食物をうまく消化吸収できず
  高分子蛋白が未消化で吸収されるためにアレルギーが成立すると考えられています。
  アレルギーを生じやすい食物は、卵・牛乳・大豆・小麦などです。
  しかし、3歳を過ぎると食物の影響はかなり弱まります。
  食物以外ではダニ・ハウスダスト・動物の毛・汗・洗剤などが原因になります。
  内的因子としてはストレスは時に大きな原因になります。

  



4)湿疹・かゆみ
 乾燥肌やアトピー性皮膚炎のお子さんの一番の大敵は「かゆみ」です。
 「かく」ことで皮膚の表皮を痛め「かゆさが増し」、益々「かく」という悪循環になります。

 
治療の基本
 (1) スキンケアーです。スキンケアーとは皮膚の清潔・保湿を保ち、肌の乾燥を防ぐ ことで、
    皮膚のバリアー機能を回復させます。
 (2) 「湿疹」に対しては、程度に応じた塗り薬治療をします。 塗り薬は、
   軽い間(湿潤を伴わない時)
はホルモン剤の入らない塗り薬(コンベック)を 処方します。
   程度のひどい時(
湿潤を伴う時すなわち引っ掻きかたがひどくて 汁がにじんでいる時
   には ホルモン剤の入った塗り薬(キンダベート、リンデロンVG)を使います。 
   「かゆみ」が強い時は、その程度に応じて内服薬(ペリアクチン)、
    アレルギーを抑える薬(アレジオン)を処方します。

   かゆみが非常に強く、寝れないようなら内服薬(アタラックスP)を処方します。
   


5)塗りぐすりの使い方
塗り薬は大きく分けて3種類あります。
虫さされの時や、蕁麻疹の様に痒い時にはオイラックスクリームを塗ります。
湿疹には前項で説明したようにコンベックを塗ります。
「とびひ」のようにバイ菌(細菌感染)による化膿が考えられる時はゲンタシン軟膏や
テラマイ軟膏を塗ります。
滲出液のにじみ出る「ただれ」た状態になっていたらホルモン剤の入った塗り薬、
すなわち「かゆみ」には オイラックスHクリーム、「湿疹」にはキンダベート軟膏か
リンデロンVG軟膏、 「化膿」にはリンデロンVG軟膏を処方します。

くらしげ小児科 〒747-0814 山口県防府市三田尻1丁目11-16 Tel 0835-22-0279 

Copyright © kurashige clinic2007.All rights reserved 各ページに掲載の写真・音声・CG及び記事の無断転載を禁じます。